『ブリグズビー・ベア』とinvisibleな共同体について

幼いころに誘拐され、25歳になるまで地下の家で育ったジェームズは、実の家族の元に戻ってから、唯一楽しみにしていた「ブリグズビー・ベア」という番組の続編を制作することを思いつく。
しかし、「ブリグズビー・ベア」は彼の育ての父親、すなわち世間一般でいうところの誘拐犯・テッドが作った番組だったため、周囲はその活動に否定的だった。
だが、彼のひたむきな「ブリグズビー・ベア」への情熱に揺さぶられ、次第に態度が変わってくるーーあらすじはそんなところである。
 

 
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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』――海が見つめる

仕事で疲れたときに、不思議と海を眺めたくなる瞬間がある。
狭い世界での暮らしに息が詰まりそうになっているからかもしれない。
 
海ははるかに開かれていて、その先の見知らぬ世界のことを想像させてくれる。
世界は広く、そこには様々な可能性があるということを、端的に再確認させてくれる場所が海なのだと思う。
 
ではもしも、そんな海が陸に住まう我々を眺めていたとしたら。
閉ざされた世界で窒息する人々は、さぞ哀れに映っているのかもしれない。
 
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、そんな錯覚を誘う。海が、見つめている。
 

 
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2016年の邦楽を振り返る

気付けば二月になっていて、もうそろそろやめにしてもいいんじゃないかなあ、と思いつつも、今年もどうにかこの投稿に至りました。
年々、何をするにも億劫になっていって、めぼしい思い出もなくなってきているのですが、
せめて、その時何を好きだと感じていたのか、後でそれくらいは振り返ることができるように、本年もどうにか立ちはだかっていきたいと思います。
そういうわけで、2016年印象に残った邦楽を総括します。
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